~ 第6回国土をつくる人写真展入賞作品 ~

中部地方整備局長賞 慎重に 中部土木(株) 冨田 結有
中部建設青年会議会長賞 鉄の道をつくる 矢作建設工業(株) 滝沢 慎一
中部建設青年会議会長賞 大深度立坑に機械と一体で挑む (株)大西組 森 裕貴
建設産業再生賞 蒸気に囲まれて 中部土木(株) 吉原 知里
中部建設青年会議長野県南部支部長賞 仕上げは俺たち! 神稲建設(株) 仲田 俊司
中部建設青年会議岐阜県支部長賞 落雪から住民を守る! (株)久保田工務店 大林 薫
中部建設青年会議静岡県支部長賞 軌道の始まり 臼幸産業(株) 山口 暁子
中部建設青年会議愛知県支部長賞 コンクリート打設は段取りいのち 太啓建設(株) 堀 一樹
中部建設青年会議三重県支部長賞 タイヤの重さは1450キロ! アイトム建設(株) 山中 文雄

中部地方整備局長賞
受賞者 中部土木(株) 冨田 結有
題 名 慎重に
(解説)
 彼女が運転しているのは破砕機を取り付けた油圧ショベルで、アームの先には、物をつかんだり、砕いたりすることが出来る鋼鉄の爪があります。この爪でコンクリート塊を小さく砕き、再生資源に加工するのです。
 いま操作している二本のレバーは左右のクローラー(キャタピラ)を前進・後退させるもので、重機を移動させている場面です。慎重で正確な操作が現場の安全を支えています。
(撮影者のコメント)
 運転席の彼女は、日々ホイールローダーやパワーショベルなどの大きな重機を運転しています。この日はプラントに運ばれてきたコンクリートの建設廃材を重機で破砕する作業を行っていました。自身の何十倍もの大きさの重機を正確に操る姿がとても印象的でした。


中部建設青年会議会長賞
受賞者 矢作建設工業(株) 滝沢 慎一
題 名 鉄の道をつくる
(解説)
 鉄道の高架化事業の現場です。新しく造られた高架橋と既存路線とを結ぶための切り替え工事を行っています。パワーショベルは鉄道用の車輪が付いた軌陸両用仕様でレール上を移動することができます。アームの先にはタイタンパーと呼ばれる装置が付けられており、これでレールや枕木の下の砕石を締め固めて一定の高さにします。大勢の人が開通を目指して徹夜の作業です。
(撮影者のコメント)
 この写真は、鉄道切り替え工事の一コマです。私達が普段何気なく利用している電車は、多くの人の力を合わせてつくった「鉄の道」を走っています。
 あたりまえのようにある安心・安全は、皆が眠っているうちに繰り広げられている職人さん達の技術と努力によって支えられています。


中部建設青年会議会長賞
受賞者 (株)大西組 森 裕貴
題 名 大深度立坑に機械と一体で挑む
(解説)
 新丸山ダムの建設工事に合わせて、既存の発電用導水路トンネルの補強が行われています。地上から立坑にクレーンで吊り降ろされる重機が暗い空間に浮かんで見えます。普段は人の目に触れることのない地底の工事現場で、人と機械が一体となってもの造りに挑戦しています。
(撮影者のコメント)
 地下深くにある発電用の導水路管補強工事の一コマです。直径8.1m、深さ60mの深い穴を掘るために、バックホウを50t吊りクレーンで穴の中に降ろす作業をしています。クレーンのオペレーターからは穴の中の様子が見えないので、ゴンドラに乗った作業員が無線で合図を送ります。人と機械が一体になって立坑に挑んでいます。


建設産業再生賞
受賞者 中部土木(株) 吉原 知里
題 名 蒸気に囲まれて
(解説)
 大きな円筒状の鉄輪で、道路や基礎など地面を圧し固めるのに使われるのがロードローラーです。鉄輪に代わりタイヤを何本も付けたものはタイヤローラーと呼ばれ、アスファルト舗装の仕上げによく使われています。このタイヤローラーにはナンバープレートが付いており公道を走ることが出来ますが、道路交通法では大型特殊自動車に分類されるので、大型特殊免許が必要です。
(撮影者のコメント)
 木曽川堤防のアスファルト舗装工事での一枚です。職人さんがタイヤローラーでアスファルトを素早くきれいに締め固めていきます。アスファルトはとても高温なので蒸気が立ち上り、その中で、後方を確認しながら真剣に作業を行う姿がかっこ良かったので、思わずシャッターを切りました。


中部建設青年会議長野県南部支部長賞
受賞者 神稲建設(株) 仲田 俊司
題 名 仕上げは俺たち!
(解説)
 道路や駐車場などのアスファルト舗装に使う機械がアスファルトフィニッシャーです。広い面積を平坦に仕上げるためには経験がモノをいう部分も多いそうです。舗装の厚さを管理しオペレーターに指示する者、レーキ(トンボ)を使って継ぎ目をなじみ良く仕上げる者など、皆で力を合わせて仕上げます。
(撮影者のコメント)
 広い駐車場をアスファルトフィニッシャーで舗装しているところです。大型機械を操り施工して行くなかで、それぞれの役割を技術と経験を活かして仕上げていきます。工事の出来栄えを左右する舗装工事、みんなの力が合わさり「良いもの」を作り現場を仕上げて行く!


中部建設青年会議岐阜県支部長賞
受賞者 (株)久保田工務店 大林 薫
題 名 落雪から住民を守る!
(解説)
 国道303号は岐阜市と福井県若狭町を結び、ここから少し先が県境です。作業に使っているのは高所作業車で、クレーンの様な伸縮式ブームの先にバスケットがあり、ここに人が乗って作業をします。転覆を防ぐためアウトリガーと呼ばれる装置を左右に伸ばし、車体を水平に固定しています。厳しい寒さのなかで、雪道の安全を支える作業が黙々と行われています。
(撮影者のコメント)
 揖斐郡揖斐川町の国道303号で、坂内川に架かるトラス橋鋼材部の除雪作業を行っているところです。滋賀県との県境に近い豪雪地域のため、鋼材部に積もった雪の塊や氷を人力で定期的に除雪し、落雪による人や車への事故を未然に防ぎます。高所での作業は危険や寒さとの闘いですが地域の方を守るため、日々頑張っています。


中部建設青年会議静岡県支部長賞
受賞者 臼幸産業(株) 山口 暁子
題 名 軌道の始まり
(解説)
 日本の高速道路の最初は、昭和38年の名神高速道路 栗東~尼崎(約71.7㎞)間の開通です。それから55年が経ち、自動車の普及・発達とともに高速道路の整備も進み日本の物流を支えています。新東名は豊田東JCT~御殿場JCTまで供用中ですが、さらに東を目指して夜空に橋桁が浮かび上がります。(秦野~御殿場JCTは2020年度の完成を目標に工事が進められています)
(撮影者のコメント)
 新東名の御殿場ジャンクションでは、新東名高速道路を東京方面に延伸する工事が進められています。写真は新東名を通行止めにして一晩で架設する作業の様子です。国内最大級の1350t吊りクローラークレーンを使って300t近くもある橋桁をつり上げていました。ロープを張り、人の手で細かなバランス調整を行うなど、人間の繊細さと機械の圧倒的な力の融合によって新しい軌道が造られています。


中部建設青年会議愛知県支部長賞
受賞者 太啓建設(株) 堀 一樹
題 名 コンクリート打設は段取りいのち
(解説)
 ミキサー車が運んできた生コンクリートを、折りたたみ式のブームと配管で高いところや離れたところに流し込むのがコンクリーポンプ車です。油圧ポンプや油圧ピストンをつかって生コンクリートを配管に送り込みます。仮橋の上で黄色いアウトリガーを開き、赤いブームを伸ばしているのがそれで、手前の青い車はミキサー車です。ドローンによる空撮なので、現場の人や機材の配置がよく判ります。
(撮影者のコメント)
 山の斜面に道路橋の橋脚を造る現場です。隣接する河川によって地上から近づくことが出来ないため、仮橋を構築して川を渡り基礎部分を施工しています。
 竹割土留によって施工面積を少なくし、基礎部に支持杭を施工する前段階の巻立コンクリートを大型ポンプ車で打設中です。現場全体の様子が一目で判るようにドローンを使って撮影しました。


中部建設青年会議三重県支部長賞
受賞者 アイトム建設(株) 山中 文雄
題 名 タイヤの重さは1450キロ!
(解説)
 一度に30t!もの土砂を運ぶこの大型ダンプトラックは広い工事現場ではとても頼もしい存在です。でも、その大きさ故に一般の道路を走ることは出来ません。そのため、現場を移動する場合には、こうして人の手でその都度、分解・組立を繰り返します。たとえ分解しても、この大きなタイヤを運ぶには大きなトラックが必要ですね。
(撮影者のコメント)
 このタイヤの本体となる大型ダンプトラックは総重量が50t程あり、1回の運搬で土砂30tを運べます。一般道は走行できませんが、埋立地などの広大な造成現場で大活躍してくれます。
 写真にあるタイヤは外径が170センチメートルもあり、大人の背丈程もあります。


『第6回国土をつくる人写真展』の応募状況等について

1. 企画概要

 魅力ある地場の建設業の姿を再認識し、良質な社会資本及びそれと関わりを持つ地域の建設業で働いている人の姿を広く一般の人に知ってもらい、魅力ある地域の建設業を育成する取り組みを一層推進されることを目指し、『第6回国土をつくる人 写真展』を実施している。

テーマ『人と機械』

建設現場において、生産性や安全性向上のために不可欠となっている建設機械について、そのオペレーターや機械と共に働く人達をテーマとした作品を募集した。

2. 実施状況

1)募集期間

平成29年 11月 ~ 平成30年 1月

2)応募点数

長野県南部支部 39点
岐阜県支部 35点
静岡県支部 36点
愛知県支部 64点
三重県支部 23点
197点

3)現在までの審査状況

 平成30年2月2日に開催した第5回地域貢献委員会において第一次審査を実施し、応募作品の中から上位50作品を選出した。
 この50作品について審査委員に事前審査をお願いし、各審査員の評価点数(テーマ性、表現性、瞬間性、独創性)を事務局において集計した。
 【資料】第6回「国土をつくる人」写真展応募データ

4)最終審査(受賞作品の決定)

本日の審査委員会において受賞作品9点を決定する
局長賞 1点
会長賞 2点
建設産業再生賞 1点
各支部長賞 5点

5)今後のスケジュール

3月 1日(木) 表彰式 14:00~ 於:名古屋銀行協会2F会議室
3月13日(火)~19(月) 写真展示 於:セントラルパーク市民ギャラリー

「国土をつくる人」写真展審査委員会
委 員 名 簿

※敬称略
委員会 氏  名 所属・役職名
顧 問 塚原 浩一 中部地方整備局長
委員長 伊藤 友輔 中部建設青年会議 会長
委 員 澤田 久仁昭 中部専門記者会 代表
委 員 飯野 幸雄 中日新聞写真部
委 員 宮下 進吾 中部建設青年会議 長野県南部支部長
委 員 吉川 幸輝 中部建設青年会議 岐阜県支部長
委 員 山田 幸保 中部建設青年会議 静岡県支部長
委 員 吉田 康裕 中部建設青年会議 愛知県支部長
委 員 田村 充宏 中部建設青年会議 三重県支部長